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【この世の闇】家族がアルコール依存症で目にした閉鎖病棟のリアル

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この記事では、アルコール依存症の祖父を閉鎖病棟に入れて、そこで感じたこの世の闇についてお伝えします。

 

私の祖父は、70歳の時にアルコール依存症になりました。

 

その理由は、毎晩晩酌にウイスキーを飲んでいたことによるものです。

 

大量飲酒をしていなくても、年をとるとともにアルコールを代謝する肝臓の力が弱まっていきます。

 

同じ量を飲んでいれば、いずれアルコール依存症の症状が出るようになります。

 

祖父の昔からの習慣でアルコールの量も多くなかったので、依存症になったことに気付くのに時間がかかりました。

アルコール依存症は否認の病気

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アルコール依存症は否認の病気と言われています。

 

本人は、本気でその気になったら酒をやめることができると思っています。

 

しかし、根本的な治療は、これから先一生アルコールを一滴も飲まないということにつきます。

 

家族は最初祖父の言葉を信じ、様子を見守りました。

 

しかし、祖母の財布から金を盗んだり、酒を隠し持ったりすることがわかり、対応を誤ったことに気が付くことになります。

 

アルコール依存症患者は、自制心をコントロールする脳の機能が衰えています。

 

そのため、スーパーやコンビニでお酒を目にするだけで、抑えきれない衝動に襲われることになります。

 

テレビCMでビールを飲んでいる芸能人の姿も、アルコールに対する欲求に火をつけることになります。

 

したがって、病院に隔離して情報をシャットアウトできる環境で治療にあたることが必要不可欠となります。 

病院が見つからない

アルコール依存症の患者は、WHOの計算によると日本で230万人以上と言われています。

 

見えないところで、アルコールに苦しんでいる人はかなり多い実態があります。

 

家族がアル中である事実はとても恥ずかしいため、家で暴れていようが表ざたにならないようにする家庭が多いです。

 

どうしようも手がつかなくなって、周囲の人間が全くコントロールできなくなってから病院での治療を考え始めます。

 

しかし、病院はベッドの空きやアルコール依存症患者への対応の難しさから、受け入れを拒否する病院がほとんどです。

 

さらに、本人に隔離病棟に拘束されることを拒む意思があれば、その患者の要望が最大限尊重されます。

 

拒否する意思を無視する行為は、倫理的な問題以前に明確に法を侵す行為です。

 

病院に隔離して離れて暮らしたいと思っても、なかなか実現しない現実があります。

病院が受け入れを拒否する理由

  • ベッドの空きがないため
  • 暴力的になるため、病院が患者を受け入れたくない
  • 患者の意思を尊重しないと法律違反となる
  • 家庭も崩壊しているケースが多いため、家族の金銭の支払い能力が疑われている

山奥の閉鎖病棟

筆者のケースでは、市内の病院を10件以上回っても、受け入れを拒否されました。

 

拒否される理由は、表向きには「患者の意思を尊重しないと人権侵害」となるためです。

 

実際の医院側の本音の理由としては、アルコール依存症の治療そのものが大変難しいことにあります。

 

自制が効かずアルコールだけを欲する人間の姿は、大きな獣よりも恐怖を感じる瞬間があります。

 

そのため、暴れる瞬間に身体を抑え込むための複数人の大人の男の力が必要となります。

 

さらに、勝手に外出しないように一日中患者を見張っておく必要があります。

 

最終的に、祖父は市内から外れた山に囲まれた場所にある閉鎖病棟に受け入れられることになりました。

閉鎖病棟で見たこの世の闇

閉鎖病棟に最初に入った時は、とても静かな空間だと感じました。

 

大きな部屋の隅に年季が入ったテレビが置いてあり、患者の多くがタバコを吸いながらテレビをボーっと眺めています。

 

タバコも許可制となっており、皆が吸うため祖父を受け入れるときに箱に祖父の名前を書く必要がありました。

 

小さな独り言をつぶやく統合失調患者を除いて、患者同士での会話が存在しない無機質な空間でした。

 

もはや治療の見込みがなく、この世の終わりのような時間が流れており、患者を見に来た家族も能面のような表情をしているのが印象的でした。

 

患者の多くに強い精神安定剤が処方されており、薬の力がたしかに脳の一部の機能を低下させることを実感します。

 

廊下には、下半身裸で四つん這いになりながら地面をはい回っている人もおり、地獄的な気分というより人間に対する諦めのような感情が芽生えました。

大男の医療スタッフ

患者を放置して、一か所に固まって治療の準備をする医療スタッフがいます。

 

まともに関わっても改善する可能性がないため、決まった時間に機械的な対応をするだけです。

 

病院スタッフには、大男ともいってもよいくらい屈強な人が何人かいます。

 

精神が壊れた暴れる人間の力はすさまじいものがあるため、精神病棟には力のあるスタッフが必要です。

 

病院という場所に不自然なくらいの体格を持つ男の存在は、精神病棟での過酷な場面を嫌でも想像させられます。

 

暴れても巨大な物理的な力で止められてしまうという恐怖心が、患者が皆とても落ち着いて見える理由の一つだと考えます。