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ライフハック、飛蚊症

電通過労死と長時間労働の無益さ

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電通に勤めていたまだ若い女性が、過労死したことをきっかけに、労働時間の取り締まりが厳しくなった。

経団連に名を連ねる企業が、リーダーシップをとる形で、残業の上限を守ることを国に報告した。

しかし、実態としては、夜8時に会社を消灯することを決めても、一時的に消灯して、また社員が働き始める会社が多い。

就活生および、転職希望者の人気企業ランキングに入っているメーカーですら、このような茶番を行なっている。

事件の発端となった電通は、決められた時間に六本木のオフィスを消灯するが、仕事を家に持ち帰る社員がとても多い。

現代のグローバルな資本主義社会は、生き馬の目を抜くような競争である。

そして、IT化により、産業の構造自体が変わった。

この構造の変化により、血で血を洗う戦いで利益を確保する会社と新しいビジネスモデルの構築を目指す会社へと、大きく分けて二つ区別できるようになった。

いずれにせよ、競争はより激しくなり、残業が延々と続く兆候であった。

このような背景の中で、電通の事件は起こり、多くの人が長時間労働に不満をあらわにして、改善の兆候が見られるようになった。

事件について、被害者の自己責任であるという論調で語られることも多い事件である。

しかし、この事件は、あくまで労働問題として考えるべきである。

電通という巨大企業の実態が、残業200時間を超える業務によって、生み出されていた事実である。

ひとりの人間の生き方にフォーカスするのではなく、日本を代表する企業が異常なまでに働くことについて、しっかり考えるべきである。

 

勤め人の殆どが心の奥底では、日本人が働き過ぎであると気づいている。

なぜ、人が死んでからでないと、変わることができないのか。

 

日本人の多くは、いまだに会社という幻想の共同体に依存しており、お互いの空気を読みすぎる。

企業の悪魔的なところは、組織への帰属意識を高めるために、人間を長時間拘束することだ。

人は、どれだけ劣悪な環境下においても、やがてその場に慣れていき、しだいに、その場所が居心地が良く感じるようになる。

服役を終えて刑務所を出所する人で、刑務所に戻りたいがために、また犯罪を犯す人物は少なくない。

また、親から暴力を受けていた子供が、心優しい家庭で保護されると、全く落ち着きを見せず、暴力がある自分の家へ戻ることを要求する。

親への愛情とは別に、慣れた環境を失うということは、環境の良し悪しに関わらず、人間にとって大きなストレスとなる。

会社が人を長時間拘束するのも、会社が用意する労働環境に慣れさせることが大きな目的である。

このことに早く気づいて、会社を単なる利益を生み出すために、設計された組織であると考えるべきである。

無駄な残業を断るためには、会社を仕組みとして捉え、会社という共同体が幻想であると考えて、それをはっきり態度で示せばいい。

あなたの行動が本物であれば、周囲も引っ張られて、理不尽な環境への不満があらわになるであろう。

それでも、労働環境の改善がみられなかったら、新しい職場を探すべきである。

その頃には、自身の会社での不満と避けたい要素が明確となり、新たな環境でチャレンジする気持ちが湧いているはずである。